こんにちは。
わたなべです。
先日、認知症サポーターになったと報告させていただいたので、今回はそれに続いてなぜ運動が認知症の予防や改善に効果があるのか、書いていきますね。
認知症は高齢化が進む中で、誰もが関心を寄せる問題となっています。
認知症の予防や改善に効果があるとされている方法には、栄養管理や生活リズムの改善、社会的なつながりを保つことなどがありますが、近年特に注目されているのが「運動」です。
今回は、その仕組みやエビデンスをご紹介します。
運動と脳の関係
まず、運動と脳の関係について説明します。
体を動かすことは、筋肉や心臓に良いだけでなく、実は脳にも良い影響を与えます。運動をすることで、脳への血流が増加し、脳細胞への酸素や栄養素が効率的に届けられるようになります。これが、認知機能の維持や改善に繋がるのです。
実際、ある研究では、週に150分程度の中強度の有酸素運動を続けた高齢者グループが、運動をしていないグループに比べて認知機能が低下しにくいという結果が出ています。このように、運動は脳の健康維持に貢献する重要な要素だと言えます。
運動が脳に与える具体的な効果
では、どのようにして運動が脳に良い影響を与えるのでしょうか?以下の3つの要因が挙げられます。
1. 脳の可塑性を高める
脳には、経験や環境に応じて形を変え、機能を調整する「可塑性」という性質があります。運動をすることで、この可塑性が高まり、脳の神経細胞が新しく作られたり、他の細胞との連携が強化されたりします。これにより、記憶力や判断力が向上することが期待できます。
2. ストレスホルモンの減少
ストレスは認知症のリスクを高める要因のひとつです。運動をすることで、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が抑えられ、リラックス効果が得られます。運動がもたらす爽快感やリフレッシュ感は、脳にも良い影響を与えるため、認知症予防に一役買っていると言えます。
3. 脳内での成長因子の増加
運動をすると、脳内では「BDNF(脳由来神経栄養因子)」と呼ばれる成長因子が増加します。BDNFは、神経細胞の成長や保護に関わる物質で、これが増えることで記憶力や学習能力が向上するとされています。特に、有酸素運動を継続的に行うことでBDNFが増えやすくなるため、ウォーキングやジョギングなどが推奨されています。
認知症予防におすすめの運動
では、具体的にどのような運動が認知症予防に効果的なのでしょうか?
1. ウォーキング
有酸素運動の中でも特に簡単で続けやすいのがウォーキングです。週に3~5日、1回30分程度のウォーキングを心がけるだけで、認知機能が改善される可能性があります。
2. ダンスやヨガ
ダンスやヨガもおすすめです。これらは脳の可塑性を高め、記憶力や集中力の向上に寄与します。リズムに合わせた動きや呼吸法を伴う運動は、脳に新しい刺激を与え、神経細胞同士のつながりを強める効果が期待できます。
3. 軽めの筋トレ
筋力トレーニングも脳に良い影響を与えるとされています。週に1~2回、スクワットや軽いウェイトトレーニングを行うことで、脳内の成長因子が増えやすくなるとされています。
運動を習慣にするためのヒント
運動は続けることが大切ですが、急に激しい運動を始めるのは難しいものです。そこで、無理のないペースで始めることがポイントです。例えば、「朝の10分だけウォーキングする」「テレビを見ながらスクワットをする」など、日常の中に小さな運動習慣を取り入れてみてください。
まとめ
運動は認知症の予防や改善において、非常に効果的な方法の一つです。
脳への血流を増やし、神経細胞の連携を強化し、成長因子を増やすことで、認知機能の低下を抑える可能性が期待されています。特にウォーキングやヨガ、軽い筋トレなど、誰でも気軽に取り組める運動は、続けやすく効果も高いとされています。
日々の生活の中で運動を習慣化し、脳の健康を保ちましょう!