脳の驚きの鎮痛機能!?

こんにちは。

 

ナベイチ整骨院の渡部です。

 

今日は私たちの脳が持つとても興味深い働きについての話です。

 

このブログを読んでいただいている方で、

 

「ゴリゴリ強くマッサージしてもらわないと楽にならない」

「自分でセルフケアをする時に強くマッサージしてしまう」

 

という方は特に最後まで読んでいただきたい内容となっています。

 

脳の働きにDNIC(デニック)というものがあります。

 

これは、体の痛みを抑制する神経制御メカニズムのことです。DNIC は、体内や体表の特定の部位に痛みがあるとき、他の部位における感覚を減少させる働きがあります。

私たちの体は、痛みを感じる神経線維である痛覚神経線維が存在していて、痛みの刺激が痛覚神経線維に作用すると、その刺激は脳に伝わり、痛みを感じます。

 

DNICはこの痛み感覚信号の伝達を調節する役割を果たします。具体的には、体の特定の部位で強い痛みが起こった時、脳はDNICを介して抑制的な信号を他の部位に送りますこの抑制信号によって、他の部位の痛み感覚信号が減少し、痛みを感じる程度が軽減されるのです。

 

このDNICは、神経系の複雑な相互作用によって制御されています。 具体的には、脳の中にある痛み制御センターや、脊髄内の神経回路が関わっています。痛みの感覚を調節することができます。

 

あなたはこんな経験をしたことがないでしょうか?

 

首に痛みを感じているときに、たまたまタンスの角に足の小指をぶつけてしまい、その小指がジンジンと痛みがあるときは首の痛みが気にならなくなっていた。

 

これは、タンスの角に足の小指を強く打って痛みを感じた場合、DNICは脳から他の部位(この時は首になります)に抑制信号を送ります。 その結果、足の小指以外の部位の感じる能力が一時的に低下し、足の小指の痛みがより強く意識されることになります。

 

DNICの正確なメカニズムはまだ完全には解明されてはいませんが、この神経制御メカニズムは痛みの調節に重要な役割を行っていると考えられています。

 

これを最初の話に戻すと

 

もしあなたが、ゴリゴリと強いマッサージをして痛みが楽になったと感じているのは、もしかしたらDNICの機能が働いているのかもしれません。

 

それは一時的に痛みの抑制機能が働いて楽になったと感じているだけで良くなっているわけではないのです。

 

あえてこの働きを利用する使うケースもありますが、基本的に体を変えていくのに強い刺激、痛い刺激は良くありません。

 

これも脳への悪いストレスになり、痛みが慢性化してしまう要因になります。

 

この話はまた別の機会に書きますね。